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トライアングル・ラブ

第13章 声



今、私が好きなのは裕也。
裕也なんだよ。


「ゴメン優貴、お姉ちゃんに電話しなきゃだから…。」


これ以上優貴の声は聞きたくない。
優貴の優しい声が大好きだったから。


「…分かった。また、電話してもいい?」


答えられなかった。
答えるのが怖かった。


“いいよ”って言って、また声を聞くのが怖い。
過去は振り返りたくないから。


“やだ”って言って、嫌われちゃうのが怖い。
別れたのに、何年も連絡とってなかったのに、やっぱり優貴に嫌われるのを恐れてる。

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