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トライアングル・ラブ

第27章 理解不能



「ってことで、ミスコン1位取るためにも、姫奈の宣伝よろしく!」

「任せなさい!」


いきなりやる気満々になった山ちゃん。

沙織は山ちゃんに何を話したんだろう。


「姫奈、行くぞ!」

「あ、うん…。」


右手で拳をつくり、それを高くかざして教室から遠ざかっていく山ちゃんの後ろを、私は小走りで追いかける。


「…裕也のことだけじゃなくて、他の人のことも見てあげてね。」


私と山ちゃんの後ろ姿を見つめながら、小さく呟いた沙織の言葉は、周りの騒音で揉み消された。

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