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トライアングル・ラブ

第32章 溝



しかし、山ちゃんは自転車を急いで止めて私の腕を引っ張って阻止した。


「…ちょっ…!」

「俺の話聞けよ!」


私は山ちゃんの大きな声に“ビクッ”となり、抵抗するのをやめた。


「…あ、わりぃ。でも、話聞いてほしくて…。」


山ちゃんはゆっくり私を掴んでいた手を離した。


「…ゴメン…。今は…聞きたくない…。」

「姫奈…っ!!」


私は全力で家に向かって走った。
山ちゃんはもう追っては来なかった。

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