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賄賂は君の身体で

第4章 初仕事

「…はい。」



震える声で返事をする万里の身体が震え出すと、小柴も「少しやり過ぎた」と反省の表情を浮かべるが、既に涙の溜まった万里の視界は歪んでいて、そんな表情を浮かべているなんて見えるはずも無かった。


泣くものかと、歯を食い縛る万里は涙を流す事は無かったが、間近でそんな万里の表情を見た小柴は、罪悪感に苛まれていた。



「…今日は、帰っていいです。明日からは…ちゃんと私の仕事をしてください。」



そう言って小柴は万里から降り、自分のデスクに戻った。

万里は暫くソファーに押し倒された体勢のまま動けずにいたが、急にむくりと起き出し、小柴を見つめた。

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