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「ふ～間一髪ってやつだな。大丈夫か？」
マリアはカイを見ながら言う。
「あ！マリア、前！」
「うん？」
マリアが前を見ると一人の男が歩いていた。
「まずい。」
マリアはブレーキをかけるが間に合いそうに無い。
「危ない。どけどけ。」
男は振り向いた。
「嘘だろ。」
マリアたちは衝突して、三人ともそこら辺に転がる。
「いたいな～も～」
男は頭をおさえながら言う。
マリアは立ち上がりなにかブツブツ言っている。そして、男に近づき男の胸ぐらを掴む。
「てめえ、どこ見て歩いてんだよ。どけつったらささっとどけよ！」
「それ、おかしいだろ！」
カイは突っ込む。
「相変わらずだね君は。」
男はマリアに言う。
「うん？お前よく見たらアンドじゃん。」
マリアはメットを外す。
「久しぶりじゃん、元気してた？」
「元気だよ。その前に普通謝るだろ。ところで彼は？」
「紹介しよう。彼はカイ、私の婚約者。」
「違います。」
「カイね、よろしく。」
アンドは手を伸ばす。
「よろしくお願いします。」
「なあアンド、こいつまだＭＩＬ持ってないんだ。なんか余ってない？」
マリアは満面の笑みで言う。
「無いけど、」
「けど何？」
「その顔やめてくれない？怖い。」
次の瞬間マリアのパンチがアンドの腹に入る。
「何が怖いのかな～」
「い、痛い。カイ助けてくれ。」
「アンドさんが謝ればすむ話ですよ。」
「何が怖いのかな～」
マリアは満面の笑みでアンドの前に仁王立ちする。
「すまん。怖くないです。とても美しいと思います。」
マリアは真顔に戻った。
「で、どーなの？」
「無いよ。でもアレ頼んでみようか？」
「アレまだ探していたのか？」
「それがみんな合わないみたいで。」
「じゃあ、今行こう。どうせ暇だろ、あいつら。」
「あの～話がわからないんだけど。」
カイが二人の会話に入る。
「後で説明するから、行くぞ。」
マリアはそう言って歩き出す。
「待ってくださいよ。」
カイはマリアの後を追う。
「いつまでたっても、変わらないなあいつは。」
っと独り言をつぶやいて、二人のところに向かう。