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みえない鎖

第16章 彼の領域

・・・その余裕ぶりを崩したくなるのは何故かなあ?

やっぱり思ってもない事言っても、意味無い、けど・・・。

「余裕で、ムカつくなあ」

呟くつもりは無かった一言が零れ落ちた。

余裕ぶりを見せつけられてるアキに対して、どうにかしたくなってジタバタ・・・今日だけじゃなくて前からしているけど。

「・・・・・・余裕だと思ってんの?」

軽い口調。
でも顔を見たら、笑ってない。

・・・何で笑ってないの?
余裕に見えていた顔なのに、今は全くその気配が無い。

射抜かれる様な強い視線が、私に何も言わせなくする。

「んな余裕があったら・・・まあいい」

「何?」

「余裕なんてねえよ」

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