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みえない鎖

第25章 強行突破

「・・・香奈子さん」

密着してるから、ピクッと身体が跳ねた・・・のが解る。

「落ち込んでた、けど?」

香奈子さんが本当に私宛に別れのメールを出したかどうかなんてもうどうでもいい。

今いるべき相手を間違ってる。ショウタは。少なくとも、相手は私じゃない。

「あいつは今関係な、」
「行ってよ」

ムカムカしながらも気持ちを抑えて遮る。もうグダグダ聞きたくない。

「ちゃんと向き合ってよ」

それが、どういう結果をもたらそうとも、私には関係ないから。

電気すらついてない暗い玄関。外からの微弱な灯りと・・・静寂の支配する空間の中、

意図せず抱き合う様に見えるこの状態は、とても不本意。

「・・・なぁ?」

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