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みえない鎖

第27章 根回し

・・・所用って、仕事の事だよ、ね。
仕方ないけど、ちょっとつまらないなあ・・・なんて思ってる、と。

・・・着信、母親から。

「もしもし?」

『瑠璃、起きていたのね」

「うん」

『身体とか大丈夫?風邪とか、心配事とか・・・』

「何もないよ」

昨日まではあったけど、とは親には言えない。もう済んでることだし、言う必要もないよね。

『・・・今、ちょっといい?』

急に母親の声が小さく、何か躊躇したような声に聞こえる。そして後ろでパタンっていうドアを閉めた音。

「何?」

母親の声に違和感を感じながらも、先を促すと・・・。

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