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みえない鎖

第27章 根回し

急に電気がつく。暗くなっていた部屋に目が慣れてたから、光がまぶしくて仕方ない。

思わず目を細める。

「・・・電気もつけずに、なにやってんの?」

未だ目が光に慣れないから、姿を捉えることは出来ないけど、アキの声に間違いはなくて。

ぐるぐると迷路の様な思考に陥ってた。ドツボに嵌ってたとでも言うのかな。

とりあえず考えても答えが出ないから、考えるのを止めて、光に慣れた目で彼を捉えた後、近づいて彼の身体に両腕を絡めると、抱き合う形になる。

今日も、スーツだ。最近はスーツ姿の方をよく見る。

もう見慣れていいと思うし、元々元カレも社会人だったのだから、免疫はそれなりにあるはずなのに、

何故、アキのスーツ姿だけは初めて見た時と同じように、ドキドキしちゃうのかな。ホッとする気持ちも同時に実感しながら、そう思う。

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