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みえない鎖

第5章 始動

・・・う寸前。

携帯の着信音。

着信音によって、何故か一気に正気に返った。アキの髪の毛に埋めていた手を反射的に外してしまう。

そのままアキから離れようとしたが、元々身体の制御が効かない状態。

思わず身体が一瞬よろめいた。

「危ないな」

割れ目にあった手はよろめいたと同時に外され、そのまま片手で横抱きされて身体を支えられる。

その状態で、アキは相手と話し始めた。

「いいところだったのに、邪魔なんだよ。何の用だ?」

けだるそうに話を始めたアキだったが、時間が経つにつれ、アキの表情は若干硬さを帯びる。

「解った。じゃあな」

話し終わると私を見て。

「邪魔された。イイトコロだったのにな」

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