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みえない鎖

第10章 一歩

「・・・・・・何者って」

これが一番直球で聞きたい事が集約されてる気がした。
散々思ってたし。何者って。

なのに。

「何者って、初めて聞かれた」

何がおかしいのか解らないけど、喉を鳴らして笑ってる。

「おかしい?」

「大体の女は、具体的に細かく何度も聞く。どこに住んでるとか、何の仕事をしてるとか」

大体の女ってフレーズは引っかかる所だけど、確かにそれが普通かも。
でも教えてくれなさそうだし?

「その答えは今日中にするとして」

勢いつけて起きたアキは、黒いボクサーパンツ姿でベッドから降りた。

「腹減ったし、何か食べるか」

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