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チェックメイトで切り裂いて

第2章 *龍の今*


「飽きた…」

これは昔から無口な龍の口癖。

「あぁ…もう疲れた…人の血ばっかり」

龍1人の部屋で声だけが響く。

井野 龍
市内では有名な殺し屋。
毎回、仕事は1人で行い、必ず成功。

殺し方を知る者はいない。


「たまには、出掛けるか、」

1人呟くと、重い腰を浮かす


玄関のドアを静かに押せば、 ギィ…と錆びた音と共に、明るい太陽が差し込んできた。

ぎらっ…

眩しい、暑い。


真夏の都会の端。

予想以上の暑さに足がふらつく。

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