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彼の兄

第1章 始まり


昌樹の部屋で2人でゆっくりと
お喋りしたりしていた、その時。


ガチャ、という音と同時に
昌樹によく似た顔の男の人が入ってきた。


「よ、昌樹」
高校2年の昌樹と違い、大人っぽい感じ。
少しラフな服を着ていた。

「あ…兄貴!入ってくんなよ」
…お兄さん、なのか。
昌樹は顔を真っ赤にしながらお兄さんを見ている。
私はぼーっとお兄さんを見ていた。


すると、目があった。
「あ?彼女?名前は?歳は?」


「えっと…嶺本日菜です高1です…」

そういうと、お兄さんは昌樹に声をかけた。
「昌樹、お前塾だろ?さっさと行けよ」

え、塾!?
嘘でしょ…1ヶ月の記念日なのに…。



「うわっまじだー!わりぃ日菜!!また明日!!!」
顔の前で両手をパン、と合わせてそそくさと昌樹は出ていった…。











そこからだったの
狂いだしたのは。

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