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彼の兄

第2章 裏切りのキス

「じゃ、私も失礼しますね!お邪魔しました」
昌樹が帰ったから、暇な私は帰ろうとした。
…そのとき。


「待って、少し話そうよ」
ぐいっとお兄さんが腕を引っ張った。
悪い気はしなかったから、なんとなく話すことにした。



********
「俺は昌樹の兄の拓磨。よろしく、日菜ちゃん」
にっこり笑う拓磨さんは、やっぱり昌樹と似ている。


…そこから少し話してたときだった。
特に何もなかったのに突然、


拓磨さんが押し倒してきた。



「えっ!?た…拓磨さん!?あの…」


「黙って」





口を塞ぐように、キスをされた。




…え?




「俺、日菜ちゃんのこと好きになったみたいなんだよね」

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