アリスは処女
第1章 不思議の国
「クリッジ…!クリッジはどこ!?」
「あ、姫。
クリッジ様なら、調理室に」
「分かったわ。ありがとう」
クリッジ、私がわがままでごめんなさいって謝らないと…!!
「クリッジ…!!」
「あ、姫!」
「あの…ごめんな…」
「ちょうどいいところに来て下さいました。パーティー用の、料理が間に合ってなかったものでして、私がお手伝いしているのですがどうも不安で…。味見して下さいますか…?」
「え…」
「やはり、嫌ですよね。
素人の作った料理なんて」
「い、いや食べるわ…」
「では、どうぞ…」
クリッジは気にしていないのか…
いつも通りですが....
「いただきます…」
クリッジが作った料理…
とても美味しい…!
でも私もはじゃぎ過ぎないように…
「美味しいわ」
「わぁ!
本当ですか…!良かったです」
「だからと言って、はしゃがないこと。お客様は皆、フェイの料理を楽しみにしているわ。あなたが作った料理だとバレないぐらいの料理を作りなさい」
「………はい。分かりました…」
これでいいのよ...
私が大人になれば
みんなが楽になれる。
みんなの不満の原因は
私自身にあったのよ。