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君がくれたぬくもり

第17章 悪魔の顔






「お前は絶対誰にも渡さねぇから…」




岳はギュッと陽菜を抱きしめた。


ほんのり汗の匂いがする。




「うん…」


「離れんなよ…?」




絡み合う指。



先程まで強気だった岳の顔は不安で溢れてた。




「陽菜が離れたら泣く…?」


「………。」




岳は答えてくれなかった。




……泣くんだね。



思わず笑えた。




「笑ってんじゃねー。」


「泣くほど陽菜が好きなの?」


「……好き。

俺にとって女なんて、ただ性欲満たすための道具でしかなかった。…でもお前は違う。

もっと一緒にいたいとか、守ってやりたいとか、お前といるとそんなことばっか…。

てか何これなんかの少女漫画かよ…(笑)」




岳は「俺キモいな」と苦笑した。




陽菜は嬉しかった。



今まで生きてきた中で、陽菜にこんな宝物みたいな言葉をくれる人は初めてだ。




「嬉しい……」


「…おう、喜べ。
もう二度と言わねーから。」




岳はニカッと笑った。




不思議だね。


さっきまであんなに不安だったのに、もう元気出てきた。




「大好き!」


「…俺も。
ずっと陽菜を守るからな。」


「うん」




抱き合い、唇を交わす二人。



ずっとこの甘い快楽の中にいたい。



そんなことを思いながら、陽菜はゆっくりと目を閉じたのだった。




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