
君がくれたぬくもり
第21章 サヨナラ
―――――……
「じゃあ、行くわ…」
「……うん」
ほんとにお別れの時間がやって来た。
陽菜は涙をこらえ、笑顔を作る。
岳はバイクに跨がった。
「絶対迎えにきてね…?」
「……当たり前だろ。」
チュッ
優しいキスを交わし、岳はヘルメットを被った。
「またな。」
「うん!!バイバイ!!」
ブォンブォン!!
エンジンを入れ、バイクが走り出した。
陽菜は岳が見えなくなるまで手を振り続けた。
「待ってるよ…」
――――――……
――――――……
ガチャ
家に入ると玄関に怜香が立っていた。
「岳兄、行った?」
「うん。」
「大丈夫…?」
怜香の心配そうな顔に、一瞬泣きそうになったが陽菜は笑顔を保った。
「大丈夫だよ!!」
だって岳は帰ってくるもん。
ちゃんと帰ってくるから…
