
君がくれたぬくもり
第26章 再会
「…どういうことだよ。」
低い声で尋ねてくる岳。
…怒ってる声だ。
陽菜は顔を上げた。
「彼氏いるの!」
「は………」
「だから……手を離して?」
「………。」
岳はそっと手の力を緩めた。
「……そいつの方が好きなのか…?」
「え………」
「…俺……約束どおりマリナとケリつけて来た…。
お前のこと迎えに来た…。」
そんなこと……
そんなこと言われても…
「い…今さら何!??
何ヶ月も陽菜を置いて、クリスマスにファミレスでイチャイチャしてたくせに!!」
「あれはマリナが…」
「指輪もしてなかった。
陽菜たち、あの時から終わってるんだよ…?」
そう……
あの時から陽菜の中で岳は恋人じゃなくなったんだ。
「……もう戻れねぇのか?」
「戻らない…。
もう裏切られたくない。」
「……わかった…。」
「ごめんね…。」
陽菜はドアを開けた。
