
君がくれたぬくもり
第32章 彼女
“あぁ、終わった”
そう心の中でつぶやき、静かに涙を流す。
昨日の甘い時間は
お酒に酔った岳の“遊び”だったんだ…
「最悪……っ…」
床に散らばる服をかき集め、お風呂場に走った。
―――シャーッ
「グスッ……うぅ……っ…」
ありったけのボディソープで体中をこする。
泣いてることがばれないよう
シャワーをつけたままひたすら体中をこする。
どうして?
大好きな岳に抱かれたのがこんなに悲しいなんて…
何でいつもこうなの?
何で陽菜ばっかり…
何で陽菜ばっかり裏切られなきゃいけないのよ!!!!
「わぁぁーーーーん!!!!」
