
君がくれたぬくもり
第33章 ドキドキ
あれから時は経ち、
ここに来て二度目の夏が来た。
岳とはあれ以来相変わらず気まずいままで、
陽菜は気にしないように平然を保つのに必死だ。
そんな毎日を送っていたある日、
「ねぇねぇ、せっかくの夏休みなんだし、みんなで遊びに行こうよ!」
テーブルに出来上がった料理を並べながら、テンション高めにそう言うのは、怜香。
珍しいこともあるものだ。
流行物にはあまり興味がなく、滅多に外に出たがらない怜香がそんなこと言うなんて…。
意外だと思ったが、否定する者はいなかった。
「大賛成!!
怜ちゃん、どっか行きたいとこあるの?」
イベント大好き光くんは大はしゃぎで怜香の隣に行く。
「うん。あたしね、海行きたいんだぁ!」
「「海!!?」」
みんなのテンションがウワッと上がる。
