
君がくれたぬくもり
第36章 大きな背中
「何のためらいもなくやっちゃったからびっくりだよ。」
「…///」
怜香のばか……
人命救助とは言え、
ドキドキしちゃうよ……///
あぁ…
また倒れそう…////
そんなこんなで駐車場に着く。
「ほら乗れ。」
「……うん。」
久しぶりの岳のバイクだ。
怜香をチラッと見ると、ニシシ、と笑っている。
絶対楽しんでるじゃん!
「岳兄。陽菜、熱あるから氷まくら作ってあげてね。」
「ん…」
「陽菜。」
怜香は口パクで陽菜に言った。
“が・ん・ば・れ”
「……バカ(笑)」
「陽菜行くぞ。」
「あ、うん。」
いつものヘルメットをかぶり、岳の腰にしがみつく。
身体がだるい陽菜は、どさくさに紛れて岳の背中にもたれた。
その大きな背中に抱き着きながら、バイクは家の方向に走り出したのだった。
