
君がくれたぬくもり
第36章 大きな背中
結局岳に送ってもらうことになり、岳の後をついて歩く。
一人で歩くのは辛いので、怜香がバイクのある駐車場まで一緒に来てくれた。
さすがに彼女がいる前で岳に支えられて歩くのはちょっとね……。
「それにしても陽菜、ほんと危なかったんだよ?」
「そうなの?」
「うん。ごめんね。気分悪いって言ってたのに気づいてあげられなくて…。てっきり岳兄のことで精神的に辛いだけだと思ってた。」
再び目に涙を浮かべる怜香。
怜香のせいじゃないよ…
具合悪いのに海に入った陽菜が悪いんだから。
「心配かけてごめんね。
ところで誰が陽菜を助けてくれたの?」
「………聞きたい?」
フフッ、と意味深な笑みを浮かべる怜香。
すごく聞いてほしいという顔だ。
「何なのよ?」
「ふふふ…岳兄だよ。岳兄!
あのね、岳兄が人工呼吸したら奇跡的に助かったの!」
「え!///」
人工呼吸ってまさか…
岳と……キs……///
