
君がくれたぬくもり
第37章 好き
言葉を詰まらせる陽菜を睨んでくる岳。
相変わらずの鋭い目つきに怯む。
「お、女の子にはいろいろあるのっ!!」
陽菜はそれだけ言って身体をくねらせた。
しかし岳の手は陽菜の肩を掴み、再びソファに押し付ける。
「いろいろって何だよ…」
「いろいろはいろいろだよ。
す、好きな人に少しでも可愛く見られたい…とか…///」
うぅっ……///
その“好きな人”は岳なんだけど…。
もうやだ恥ずかしい……///
陽菜は首だけ横に向け、岳から目を合わせないようにした。
「誰だよ……」
「……言えない。」
「チッ……」
「あっ……///」
岳は舌打ちをすると、再び陽菜の首筋に唇を這わせた。
「岳やめて……」
そう言って岳を押しのけようとするが、岳は退けようとしなかった。
苦くて甘い吐息が首筋にかかり、ゾクゾクする。
