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君がくれたぬくもり

第4章 恋






怜香の言う通り、岳は縁側に座って煙草を吹かしていた。


障子にもたれ掛かり、膝を立て煙草を吸う姿から哀愁が漂う。


話しかけにくい雰囲気だが、陽菜は明るく岳に近寄った。




「岳!!もうすぐご飯だって!!」


「あ?……あぁ。」




岳は陽菜を見ると、すぐに視線を下にさげた。


やっぱり避けられてるのか…




「岳…なんで目をそらすの?」


「……あ?」


「目を見て話してよ。
陽菜、なんかしたかなぁ?」


「……。」



岳は灰皿に煙草を潰すと、立ち上がった。


陽菜はその手を掴む。




「ちょっと待ってよ!!」


「離せ。」


「避けないでよ……無視しないで…。
…こういうの、もう嫌だ…」




陽菜はいじめられて無視されていたことを思い出していた。




…岳は知らないよね。




無視されるって


面と向かって悪口言われるよりも辛いんだよ?




「無視はしてねぇだろ…」


「じゃあどうして最近喋ってくれないの?避けてるよね?」


「………。」



黙る岳。


陽菜にひとつの疑念が生まれる。




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