
君がくれたぬくもり
第41章 誘拐
「ん……痛……」
目が覚めると、知らないところにいた。
窓は高い位置に空気穴のように一つだけあり、
全部がコンクリートでできた暗い部屋…。
「ここどこ…?」
固くて冷たいコンクリート…
まるで牢獄だ。
電気は小さなランプしかなくて、周りはほとんど見えない。
キョロキョロと部屋を見回していると、背後から声がした。
「あんたも売られてきたの?」
「え……」
振り向くと、そこには綺麗な女の人がいた。
暗くてよく見えないが、赤いスパンコールのドレスが見える。
「だ、誰ですか……?」
「あたし?幸子。」
幸子と名乗る女性は、壁にもたれ掛かりグッタリしているようだった。
「幸子……さん。
あの、ここはどこですか?」
「わかんないの?あたしたち売られてきたのよ。」
「えっ………!」
小さな窓から差し込む月明かりが部屋を照らすと共に、陽菜は驚いた。
この部屋には陽菜と幸子さん以外にも
たくさんの女性がいた…
