
君がくれたぬくもり
第42章 叫び
開いたドアから再び顔を出すさっきの男…
彼は中にいる数十人の女をぐるっと見回すと、陽菜を見た。
「おい、お前来い。」
「えっ…」
陽菜!?
「お前だよ。早くしろ!」
男はその鋭い目つきで陽菜を凝視する。
陽菜は慌てて立ち上がった。
彼は陽菜の腕を掴み、倉庫から出すと、狭い廊下を歩き出した。
「あ、あの…どこ行くんですか…?」
「あ゙ぁ?バカか。決まってんだろうが。てめぇは今から若旦那の相手をすんだよ。」
「は……」
相手って……
そんな……まさか?
「……セックスですか?」
「っは(笑)さぁな!」
彼はバカにしたように笑って陽菜にそう言った。
しばらくすると色とりどりの花の模様がついた煌びやかな襖の前にたどり着く。
「お前、新人か。
くれぐれも失礼のないようにしろよ!」
彼はそう言うと、そそくさと来た道を戻っていった。
