
君がくれたぬくもり
第42章 叫び
――――――………
「陽菜……どこ行っちまったんだよ……っ……」
真夜中の11時
陽菜を探しはじめて5時間が経とうとしていた。
大和がスーパーで陽菜が連れて行かれるのを見たという情報を元に
心当たりのある所を片っ端から走り回るが見当たらない。
「陽菜………」
スーパーの駐輪場には見覚えのあるチャリが倒れていて、
その周りには陽菜の物らしき財布と、
怜香が頼んでいたというみりんが入った袋が落ちていた。
陽菜がここからいなくなったのは確かなのだ。
でもそんな情報、全然役に立たない。
「クソッ!」
落ちていたペットボトルを蹴飛ばす。
なんでだよ……
なんでなんだよ!!
何で陽菜なんだよ……
「陽菜!!」
人影がなくなった路地を
俺はまた走り出した。
