
君がくれたぬくもり
第43章 汚れ
―――チュンチュン
「ん………」
スズメの鳴き声で目を覚ますと、部屋には光が差していた。
身体には無数の傷といくつものキスマークがある。
岳の付けてくれたキスマークはもうなくて、涙が出た。
「岳…会いたいよ……」
会って抱きしめてほしいよ…
でも、こんな身体じゃ会えないね……
嫌われちゃうね…。
ベッドの周りに散らばった服をかき集め、部屋を出た。
「あ。」
「……。」
襖を開けると昨日陽菜をこの部屋に連れて来た男と鉢合わせた。
「今迎えに行こうとしてたんだ。」
「………。」
男は陽菜の手首を掴むと、昨日の牢獄に陽菜を案内した。
―――ガチャ
「飯は置いといた。食えよ。」
乱暴に部屋に入れられ、またガチャンと鍵が閉まる。
幸子さんが急いで駆け寄ってきた。
「大丈夫?あーあ…こんなに酷い目にあって……」
苦い顔をして陽菜の切れた口元を撫でる。
陽菜はまた涙が出た。
