
君がくれたぬくもり
第43章 汚れ
「帰りたいよぉ……っ」
泣きながら幸子さんにしがみつく。
幸子さんはただ陽菜の背中をぽんぽんと優しく叩く。
「可哀相に…怖かったね…。
まだ十代なのに…。」
「岳に……会いたい……」
「岳?」
幸子さんの表情が変わる。
「陽菜の彼氏って…岳って言うの?」
「……はい。」
「偶然だね。あたしの息子も岳って言うのよ。」
「えっ」
息子…!?
てゆうかこの人いくつ!?
「あたし夫に暴力ふるわれててさ…DVってやつ?
子供たちもいるし、離婚するって言ったらここに連れて来られたわけ。
もう五年も前の話なんだけどさ。」
「失礼ですが…おいくつですか?」
「あたし?恥ずかしながらもうすぐ四十よ(笑)」
四十…
「あたしね…陽菜くらいの歳の娘もいたの。」
陽菜ははっとした。
この人…
「娘って、怜香って名前?」
「え?!」
幸子さんは目を丸くした。
