
君がくれたぬくもり
第46章 声
――――――………
いてぇ……
身体中金縛りにあったみたいに動かねぇ……
「チッ……しぶとい男だ。」
男の一人が俺に跨がる。
すると懐からキラリと光るナイフらしきものが見えた。
「………。」
はは…
なんでだろうな…
これから刺されるのはわかってんのに
抵抗する気にもならない。
このまま死んでもいい。
もし生き延びたとしても
俺はもう
陽菜と一緒にはいられないから―――………
これは千夏との制約…
俺は陽菜を助けたら
あいつと一緒に生きていかなきゃいけないんだ。
俺は陽菜と一緒にいたらダメなんだ。
……傷つけてしまうから。
千夏と付き合わない限り、おそらく千夏は同じことを繰り返すだろう。
これ以上陽菜を傷つけたくなかった。
ならいっそ………
陽菜を助けて
俺は死ぬ。
