
君がくれたぬくもり
第48章 契れた糸
「幸せになれよ…?」
優しく、優しく…
陽菜の頬を撫で、微笑む。
陽菜はその手を振り払い、岳を睨んだ。
「そんなこと聞いてない!
別れるなんていや!!」
「…わがまま言うな。」
「わがまま!?
わがままは岳だよ!!
何でえっちしたの…?」
こらえきれなくなった涙は
重力に従って落ちていく…。
真っ白なシーツにシミができた。
「ごめんな…」
「陽菜何かした?
嫌いになったの……?
悪いとこ頑張って直すから別れないでよ…
ずっとそばにいてよ…」
岳の胸に縋り付く。
いつもなら背中をポンポンと叩いてくれるのに
今日は背中にすら触ってくれないんだね…
「ごめん……な…」
それしか言わない。
理由も教えてくれないなんて卑怯だよ…
何でなの…?
