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君がくれたぬくもり

第49章 mother






クリームのついたティッシュをごみ箱に入れ、再び椅子に座る。



ふぅ…とため息をつくと、お袋は言った。




「母さんもあんたと一緒。」


「………?」


「救いの手なんていくらでもあるのに一人で解決しようとして、あんなとこ連れていかれて…
あなたたちを傷つけてしまった…。」


「………」




お袋は笑っていたが、どこかせつなかった。




「母さん、苦しかった。

だから…ね、岳には傷ついてほしくないの。
岳だけが苦しまないでほしいのよ。」


「お袋………」




俺はそれ以上


何も言えなかった。




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