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君がくれたぬくもり

第6章 煙草






「あんなやつ………別れろ」


「…ふぇっ…ぐ……ぅ……」


「傷付くだけだ…」




今……


あの時の岳の言葉の意味を知ったよ。



“傷つきたくねぇなら付き合うな。”




「岳は知ってたの…?」


「……あぁ。何年あいつのダチやってると思ってんだよ。

それなのにてめぇはあいつに惚れやがって…だから付き合うなっつったのによ…。」


「……。」




また涙が出た。



情けなくて…


恥ずかしくて…




「もう忘れろ…てめぇならまたいいやつ現れるから。」


「……うん。岳、ごめん…」




岳はグシャグシャと陽菜の頭を乱暴に撫でた。




「もっと優しくしなさいよ…」


「俺が頭撫でてやってんだから優しいだろ。」


「………ばか。」



思わず笑みがこぼれた。



失恋は悲しかったけど


岳がいてくれてよかった…





     ―――――――……




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