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君がくれたぬくもり

第7章 星空





「もう無理なの…。
ごめんね…これ、返す…。」



陽菜は携帯に付けていたおそろいのストラップを外し、和哉に渡した。




「俺は認めないよ?
陽菜……考え直せよ。」




その時、ジャリッと砂利を踏む音が聞こえた。




「…和哉、もうやめろ。」




そこには煙草をくわえた岳がいた。


和哉は岳を見るなり少し怯えたような表情を見せる。




「岳……でもさ…」


「…てめぇの浮気と発言が元凶だろ?諦めろ。」


「浮気なんてしてな…」


「…してないと言い切れるなら携帯貸せ。」


「……。」




何も言えない和哉。



…完敗だ。




「わかったよ……。」




和哉は岳をギロリと睨んで家に入っていった。




急に静かになる。



岳が気まずそうに言った。



「…悪い。勝手なこと言ったな…。」




陽菜は首を横に振る。




「……ううん。ありがと。」


「…海でも行くか。」


「えっ?」



海??


岳は陽菜を無視してバイクに跨がりヘルメットをかぶった。




「い、今から?」


「今じゃないならいつ行くんだよ…早く乗れ。ほら。」


「わッ?!」



飛んできたヘルメットをキャッチする。


そして岳の後ろに跨がった。




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