
君がくれたぬくもり
第9章 過呼吸
「えっと…」
スーパーの中で陽菜はオムライスの材料を選んでいた。
何を買うかは岳がメモをくれたから陽菜はそれを買うだけだ。
……初めてのおつかいみたい。
鶏肉と玉ねぎと…
あ、ピーマン……は無視。
嫌いだもん。
「うん、こんなもんかな。」
レジを済ませ、帰り道を歩く。
てか岳が行けばよかったのに…
バイクあるのに陽菜に徒歩で行かせるとか鬼畜すぎる!!
「それにしても暑い…」
家に帰ったらクーラーついてるかな~
そんなことを考えながら歩いていた。
その時、
背後から聞き覚えのある声が聞こえて振り返る。
「………え」
陽菜は目を見開いた。
そこにいたのが
つい最近まで陽菜と愛し合っていた和哉と
…怜香だったから。
「どういうこと…?」
二人は仲よさげに手を繋いで歩いている。
陽菜は何も言えなかった。
ただ…ここにいたくなくてダッシュで家まで帰った。
