
君がくれたぬくもり
第9章 過呼吸
――――バタンッ!!
「はぁっ…はぁっ…」
そのまま玄関に倒れ込む。
「はぁ…はぁ…はっ…はぁ…」
息が……
息ができないよ……
怜香が………
親友……が………
親友………
頭の中を何度も何度もリピートされるあの場面…
陽菜の初めての彼氏が親友とどこかに行ってしまった…
自殺をしようとしたあの日―――
「いやあぁぁぁぁぁぁーーーっ!!!!」
頭を抱え叫ぶ。
岳が驚いて駆け寄ってきた。
「陽菜!?陽菜!!」
「いや……いや……いやぁ……っ……」
「落ち着けって…どうした?」
「はぁ…はぁ……」
岳は陽菜を抱きしめた。
いつもの匂い……
温かい………
「岳………」
真っ白になる頭…
陽菜はそのまま岳に抱きしめられたまま意識を手放した。
