
君がくれたぬくもり
第9章 過呼吸
――――……
「ん……」
目が覚めた頃
陽菜は真っ暗な部屋にいた。
このシーツ…
いつの間に自分の部屋に戻って来てたんだろう?
「……あ。」
そうだ……
陽菜……過呼吸になって倒れたんだった…。
―――ガチャ
ドアが開き、部屋に光りが射した。
足音が近づいてくる。
「陽菜…?」
低い声…
岳の声だ。
「岳……」
「…大丈夫か?」
暗いからよくわからないが、岳の声が少し小さい…
心配かけちゃった…。
「うん…、ごめんね…?
運んでくれたんだよね?」
「あぁ…すげぇ重かった。」
「もぉ……。」
陽菜はプイッとそっぽを向く。
「ていうかてめぇ、ピーマン買ってこなかっただろ?」
「えー?知らなーい。」
「…ガキか。」
岳は呆れたようにため息をついた。
陽菜はクスクスと笑う。
