
君がくれたぬくもり
第10章 微妙な関係
しばらくすると大和さんや光くんが帰ってきて、家中が騒がしくなった。
しかし、あれから岳は部屋に閉じこもったまま。
ねちっこいやつ!!
「ひ~なちんっ♪俺がいなくて寂しかった~??!」
光くんが抱き着いてくる。
しかし今の陽菜はイライラがやばいのです…
「寂しくない!!」
そう怒鳴ると光くんも大和さんもびっくりしていた。
光くんに関しては半泣きだったけど。
その時だった。
「たっだいまー♪」
玄関から明るい声が聞こえた。
…怜香だ。
陽菜は昨日の出来事を思い出す。
――ガチャ
「ただいま~」
「………。」
陽菜は怜香の顔を見るなり目を逸らし、リビングを出た。
何も知らない怜香は陽菜を追いかけてくる。
「陽菜、どうしたの?」
「………。」
「ねぇ陽菜?」
怜香の手が陽菜の肩を掴んだ。
しかし陽菜はその手を素早く振り払った。
「触らないで!!」
「え………」
