
君がくれたぬくもり
第10章 微妙な関係
「ねぇ……キスして?」
「……あぁ。」
ゆっくりと目を閉じる。
岳の冷たい手が陽菜の頬に触れる。
そしてゆっくり…唇を重ねた。
何度か触れるだけのキスをして、ゆっくりと岳の舌が入ってくる。
「はぅ……ん//」
岳の舌はやっぱり苦くて
陽菜は顔を歪めた。
するとそっと唇が離れる。
「…何でちょっと嫌そうなんだよ?」
「だって苦い…」
「………。」
岳はポケットからタバコを出すと、
それをぐしゃりと握り潰した。
「えっ!?」
陽菜は目を丸くさせる。
すると岳は照れ臭そうに言った。
「禁煙……する。」
もしかして陽菜のため?
陽菜が嫌な気持ちにならないために?
「んだよ?こっち見んな//」
「見てないよ?」
「じゃあ何でニヤニヤしてんだよ。」
「ぅふふ///」
陽菜が笑うと、岳はさらに強く抱きしめてくる。
苦しいくらい、ぎゅーっと。
だけどとても居心地がよくて、
しばらくそのままでいた
