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おまわりさんはドS

第4章 隼斗の過去

「瑞木」
「杏奈っ」
「へ?」
思わず、素っ頓狂な声を出してしまった。

すると、瑞木はえへへ、と笑って
「瑞木、じゃなくて杏奈って呼んでよ。って事。」
俺の唇に人差し指を当てた。

杏奈の目を見つめていたら、目がそらせなくなった。

お互い、どちらともなく目を閉じ、

最終下校時刻を告げる鐘がなり、赤い夕日に図書室が照らされ、2人の影がそっと重なり合った。

甘かった。

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