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Sカレっ

第5章 ダンス


髪の毛を力強く引っ張られ、頭がズキズキする。
顔も叩かれた。
足も蹴られた。

あたしが何したってゆーのよ!?



「あれ??もしかして泣いちゃった??」

「クスクス…これ以上体傷つけられたくなかったらさっさと瀬川くんの周りをチョロチョロしないでよね」

「いーきみっ」



っ………

何を言えばいいのか分からない。
怖い……



「……っ」


だめ、泣いたらだめ!!
こいつらの前で泣くもんかっ…


「…みんな、行くよ」



よかった…



「おい、ちょっと待てよ」


後ろから声が聞こえた。

低くて、なんだか怖い声が。


「お前ら、何してんだよ」


誰??

顔が暗くて見えない。



「せ、瀬川くんっ」


!!!

瀬川!?
なんでここに…


「1人の女いじめて楽しいかよ」

「違うの、瀬川くんっ!!これは…」

「黙れ。さっさと行け」

「瀬が――――」

「行けって言ってんだよ!!」



バタバタ…



足音が遠くなる。

「瀬川……??」


顔をあげると、瀬川は力一杯あたしを抱きしめた。


「!!!!??………ちょ、瀬川…」

「ごめん…」

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