テキストサイズ

Sカレっ

第5章 ダンス




「………瀬川??」

あたしは瀬川から離れた。


「…何て言ったらいいか分からない。お前を守れなかった。俺は……」


瀬川??


「お願いだ……一回だけでいい。……名前で呼んでくれないか??」


「え…」


「お願いだ…」


瀬川の声はかすれて、泣きそうだった。
あんな意地悪な瀬川が…

あたしは瀬川の手を握って、口を開いた。



「…栄汰」



瀬川はあたしがそう呟くと、愛おしそうにもう一度あたしを抱きしめた。

強く、強く。


どうしたんだろ?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ