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Sカレっ

第5章 ダンス

~瀬川 栄汰~


「…栄汰…」

沙耶華……
江奈は、沙耶華によく似ている。


俺は力一杯江奈を抱きしめた。


「…瀬川??」


ハッと我に返ると、江奈が心配そうに俺を見ていた。


「あ、いや、なんでもない。それより、大丈夫か??怪我とか……」


慌てた俺を、江奈は黙って笑った。


「大丈夫だよ」


「…そうか。ほんと、悪かった」




……………。





「江奈…」

「え、瀬川??なに……」


江奈にそっと近づき、唇が触れそうになった瞬間、


『はぁい!!それでは8時だよ~、全員集合!!!!』


第1グラウンドから原の声が聞こえた。
その素っ頓狂な声に、俺と江奈は顔と顔の間がほとんどないギリギリの距離で、目を合わせた。




「あっ!!は、はち、8時だっ!!ほら瀬川っフォークダンス、フォークダ――――」


明らかに逃げようとした江奈の腕を掴み、俺は軽く唇に触れた。


「へっ……??」


「イヂワル栄汰くんふっかーつっ★」



「こんの…瀬川~!!!!」



決めた。
次は班の女じゃなくて、【俺の】女にする。

絶対に、拒否権は受け付けない。

覚悟しろよ、華田 江奈!!!!

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