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恋のかたち

第2章 期待

次の日の朝は、昨夜早くに寝たせいもあってかいつもより三時間も早く目が覚めた

朝シャンなんてしない優愛だったが、目覚め一番でバスルームに急いだ

廊下では朝早くからメイドたちが清掃や朝食の準備を着々とこなしている様子だった

一人のメイドが優愛に気づき恭しく朝の挨拶をしてきた

会う度メイドたちは優愛に対し、ご主人同様の対応を取ることに未だに抵抗感を感じている

優愛は、丁寧な言葉で返すとそのままバスルームに向かった


ここに来た当日は、お風呂や着替えまでしてくれようとするメイドを何とか説得し、声を掛けない時は手伝いは不要と約束させた

慣れない環境に戸惑った時期はあったが、大分定着しつつあるようだ

だだっ広いバスルームは銭湯を独占したような気分なさせたが、今はもうなれてしまった

何を気にしてか、入念に身体を洗い、髪も念入りに手入れした


バスルームを後にした優愛は、自室に戻る途中に居たメイドの一人に声を掛けた

「花波さん、ちょっとお願いがあるんです」

「畏まりました。優愛お嬢様、私は何を致しましょう?」

「ヘアメイクをお願いしたいのですけど・・」

「まぁ!優愛お嬢様の為ならば、この私で宜しければ謹んでお請けいたします」

メイドの花波は、満面の笑みで、今までで一番嬉しそうに見えた

花波と共に部屋に入り、既に制服に着替えた優愛は美容室台のような鏡の前に座った

「優愛お嬢様、髪はどのように?」
聞いたことないほどの弾んだ声で、メイドの花波はとても楽しげに作業をこなす

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