NO VOICE LOVE
第1章 はじまりは、すぐそこに
「やっべ、ライブのリハ間に合わねえ!!」
そう叫びながら買い物帰りの
主婦たちで賑わう商店街を
駆け抜ける人影が1つ。
「ちっくしょー!
あの教授話長すぎなんだよ!!」
叫びながら猛ダッシュする姿に、
主婦たちは怪訝そうな目を向ける。
「あー!すんませんっ、
ちょっとそこ通してくださいいい!!」
猛ダッシュする彼の目の前に
商店街の風景を楽しむようにした
ゆっくりと歩く女子高生の姿。
彼が叫んでも、
彼女は退ける気配を見せない。
(やべぇ、ぶつかる!!)