テキストサイズ

俺様王子と白うさぎ

第3章 きっかけは…

グイッと腕を引かれ、無理矢理顔を見られる。

よかった。まだ涙は出てない。


「よ、よかったね。彼女ができて」

かなちゃんが喋り出す前に、慌てて話し出す。


「…は?」


怖くて、かなちゃんの顔を見れなかった。

「かなちゃんに彼女なんておめでたいじゃない。私も嬉しいよ‼でも、もう朝起こしに行ったりできないねっ…‼ごめんね?今まで気づかなくて。彼女ができたなら言ってくれればよかったのに…‼」

早口で言う。

話してないと、涙が溢れそうで。
自分に言い聞かせないと、心が苦しくて。

まだ泣いちゃだめ。
我慢するの。

「それ、本気で言ってる?」

かなちゃんの声は、今まで聞いたことのないくらい低くて。


「本気だよ?かなちゃんに彼女ができるの、初めてでしょ?私も応援するよっ…‼」


イヤだ。


「彼女、大事にしなきゃダメだよ‼女の子は繊細なんだからね」

イヤだっ…

言いたくもない言葉が口から飛び出る。
早口過ぎて、自分でも何を言ってるのかわからない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ