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俺様王子と白うさぎ

第3章 きっかけは…

「それが…おまえの本当の気持ち?」


ゆっくりと、怒りを無理矢理押し殺したような声でかなちゃんが尋ねる。


掴まれた腕がひどく痛む。


私はそっと頷いた。


「あっそ」


余りにもあっさりと、かなちゃんは手を離して。
くるりと背中を向けて、また靴箱に戻っていった。


私は走った。
何も考えず、ただ走った。
走って走って。
やっと家に着く。

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