山茶花(さざんか)の咲く村~男装美少女の恋~
第8章 発覚
凛花が想いに沈んでいると、インスはまた銚子を持ち、凛花の盃に注いだ。
「判ったよ。お前の言葉を信じよう。だが、はっきり言って時間はないぞ?」
「ああ、明日にでも私の考えている計画の内容を具体的に話すよ」
「何だ、初めて知ったぞ。そなたは下戸なのか!」
インスがその場の重苦しい雰囲気を変えるように言った。
「う、うん?」
凛花が慌てて顔を上げる。
インスが破顔した。
「男なら、一気にいけよ。俺なんか、自慢できることでもないが、ウワバミと呼ばれてるぞ」
確かに一緒に呑んでいて初めて知ったことだが、インスはいけるクチだ。どれだけ酒量を重ねても、けして乱れもせず酔いもしない。酒豪という域をを超えて、やはり〝ウワバミ〟の呼び名の方がふさわしい。
「酒も満足に呑めないで、よく女にモテるな。それとも、頼りなさそうなところがかえって女の母性本能をくすぐるとか?」
揶揄され、頭にカッと血が上ったのが運の尽き。
計画の行き詰まりに鬱々としたせいもあって、凛花はつい盃をクイとひと息に干してしまった。
が、すぐに、凛花は己れの愚かさを思い知らされることになった。呑んだ傍から、灼けつくような、ひりつくような感覚を喉に感じ、身体そのものもカアッと高熱を発したかのように熱くなった。
「ううっ」
凛花は胸許を手で押さえ、その場に身を丸めた。
「おい、大丈夫か!?」
愕いたインスが傍に寄ってきた。
大きな手のひらが凛花の背を撫でる。
「参ったな。まさか、盃一杯で、こんなになるとは思いもしなかった」
インスは頭をかきながらも、凛花の背をさすり続けた。
「気分が―悪い、喉も火傷したように熱い」
凛花が訴えるのに、インスが慌てた。
「そいつは大変だ」
嘔吐感はどんどん烈しくなってゆく。
インスは急いで酒場の女将を呼び、座敷を貸して貰うように頼んでいる。
「冷えると思ったら、本格的に降ってきやがった。こいつは明日の朝は積もるな」
「判ったよ。お前の言葉を信じよう。だが、はっきり言って時間はないぞ?」
「ああ、明日にでも私の考えている計画の内容を具体的に話すよ」
「何だ、初めて知ったぞ。そなたは下戸なのか!」
インスがその場の重苦しい雰囲気を変えるように言った。
「う、うん?」
凛花が慌てて顔を上げる。
インスが破顔した。
「男なら、一気にいけよ。俺なんか、自慢できることでもないが、ウワバミと呼ばれてるぞ」
確かに一緒に呑んでいて初めて知ったことだが、インスはいけるクチだ。どれだけ酒量を重ねても、けして乱れもせず酔いもしない。酒豪という域をを超えて、やはり〝ウワバミ〟の呼び名の方がふさわしい。
「酒も満足に呑めないで、よく女にモテるな。それとも、頼りなさそうなところがかえって女の母性本能をくすぐるとか?」
揶揄され、頭にカッと血が上ったのが運の尽き。
計画の行き詰まりに鬱々としたせいもあって、凛花はつい盃をクイとひと息に干してしまった。
が、すぐに、凛花は己れの愚かさを思い知らされることになった。呑んだ傍から、灼けつくような、ひりつくような感覚を喉に感じ、身体そのものもカアッと高熱を発したかのように熱くなった。
「ううっ」
凛花は胸許を手で押さえ、その場に身を丸めた。
「おい、大丈夫か!?」
愕いたインスが傍に寄ってきた。
大きな手のひらが凛花の背を撫でる。
「参ったな。まさか、盃一杯で、こんなになるとは思いもしなかった」
インスは頭をかきながらも、凛花の背をさすり続けた。
「気分が―悪い、喉も火傷したように熱い」
凛花が訴えるのに、インスが慌てた。
「そいつは大変だ」
嘔吐感はどんどん烈しくなってゆく。
インスは急いで酒場の女将を呼び、座敷を貸して貰うように頼んでいる。
「冷えると思ったら、本格的に降ってきやがった。こいつは明日の朝は積もるな」