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第5章 case3 【貴方ニ効果的ナ"復シュウ"ヲ】 1

的場君の姿が消え、パタンとドアが音を鳴らし、部屋の中に静寂を迎え入れた。

・・・背徳?引き摺り込む?何の事だかさっぱり・・・。

ただ、彼は忠告に来た、という事は解った。邪魔をするな、と。

そして、観客、って事は、何かを見せたいってことでもあるけど。

・・・何を、見せたいの?

邪魔するな、と忠告するくらいだから、良い事ではない気がする。

結局、解らない事が増えるばかり。知らない間に巻き込まれていく。

「契約者にお膳立てされるとは・・・」

考えに耽り、立ち尽くしていた私を現実に戻す声。視線の先には、斎。

「・・・お膳立て?」

「というよりは、漁夫の利、と言った方が良いのか?ま、言葉はどうでもいいが」

目の前まで、歩いてきた斎が私を見下ろし、最後に一言。

「俺は、楽しみだ」

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