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第5章 case3 【貴方ニ効果的ナ"復シュウ"ヲ】 1

「今回の姫様の役どころは、観客、です。ですから」

邪魔ヲシナイデ下サイ、ネ?

「・・・何の事?」

「じきに解ります。斎様との契約の内容も全て。本来は、契約者と斎様の間でこっそり履行されるものの様ですが」

「・・・何故?」

そんなことを教えるのか・・・。契約内容について、私は部外者に過ぎない。斎に気に入られた存在である、という事だけで。

「斎様の召使として、少し恩返しでもしようかな、と」

答えになってない答えが返る。その後、屋敷に通じるドアに向かって歩き、ドアノブに手をかける。

「本当に理由が知りたいですか?」

主従関係というのは、雰囲気も似てくるものなのだろうか、何となく、斎に通じるものを感じる、今の的場君。

色々な気持ちが交錯する。でも、聞かないと始まらない気がして、軽く頷いた。

直後ドアが開く。的場君がドアから出る寸前、答え、が聞こえた。

「姫様を背徳の世界に引きずり込むためですよ」

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